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杉田 道昭; 大塚 孝治*; P.von-Brentano*
Physics Letters B, 389(4), p.642 - 648, 1996/00
SPDFボソン模型を使って希土類核のE1遷移について研究した、その成果を発表する。変形した原子核の対称軸の方向の角運動量成分を、パリティをとする。=1-のオクタポール振動状態から=0+の基底バンドへの遷移確率が、=0-からの遷移確率の1%以下であるという事実は、ここ30年間の周知の事実である。ところがこれを説明できる理論はなかった。本研究では、このことがE1巨大共鳴状態がオクタポール振動状態に混ざることによって起こるものと考えて、SPDFボソン模型を使ってE1遷移を調べた。PはE1巨大共鳴状態を、Fはオクタポール振動状態を表わす。巨大共鳴状態がオクタポール振動状態に混ざるときの位相がによって異なり、その結果E1遷移確率に大きな差が出ることがわかった。
宇都野 穣
no journal, ,
ガンマ線やニュートリノなどの粒子と原子核の反応過程を正確に記述することは、宇宙物理の微視的なインプットとして非常に重要である。本シンポジウムは、原子核理論,原子核実験,宇宙線の関係する研究者によって、原子核の電磁応答の記述能力の現状をまとめ、その宇宙物理へのインパクトおよび今後の研究の方向性を議論することを目的に行われる。発表者は、大規模殻模型計算によるE1応答の現状について報告する。他の理論模型に比べ、大規模殻模型計算は、原子核の記述に必要な模型空間内の全ての状態を基底ベクトルとしてハミルトニアンを対角化することから、集団的な状態のみならず、非集団的状態との結合も正確に取り入れることが可能である。そのため、核子分離エネルギーに近く、応用に対する重要度の高い、巨大共鳴の裾の記述に優れている。本講演では、発表者がこれまでに計算したpf殻領域のE1応答の結果について、主に紹介する。